感謝と氣づき

私と彼がこの施設で出逢う前に、彼は違う場所で勤務していた。

それは以前、お互いのことを少しだけ話せた時に知った。

当時、彼が勤務していた場所の隣の施設に、偶然にも、時々私は通っていた。

私は、自分の故郷から遠く離れたこの土地に、引き寄せられるようにやってきて、

彼の足跡を辿っているように思えた。

そして、私たちが出逢う数か月前に、姪っ子ちゃんが結婚した。

そのお相手は彼と同じ苗字で、他にも共通することがあった。

だから余計に彼と出逢った時、ご縁を感じたのだった。

これは、私を取り巻く家族がいたからこその出逢いであり、

家族の魂たちも、何かの約束事があって、協力してくれているのかもしれない．．．

そう思うと、感謝の氣持ちと、大切にしないといけないって思った。

そして、彼にも、彼を取り巻く人たちを大切にして欲しいって願った。

２月も末になり、コロナウィルスの感染が懸念され、

施設の利用も一時見合わせることになった。

そして、暫くの間、彼に会えることもなくなった。

彼とは会えなくても、彼だと感じるエネルギーのようなものを

ずっと受け取っている．．．

日に日に強さを増していく。

私は愛おしさで胸がいっぱいになる。

訳もなく涙が出る。

私は、鏡の中に映る自分の顔を見るたび、彼と似ているところが多い、と思う。

髪のクセや瞳の感じ、唇の形、爪の形、笑い方．．．

似てきているのかな、と思うほど．．．

会いたい、会いたくて仕方がない．．．

恋しくて愛おしくてどうしようもない．．．

そんな中、とても厳かな夢を見た。

神話に出てくるような、装束をまとった高貴そうな方が

『イザナギノミコト』と仰った。

男女で並んで。

そして、『ヤマトノタケル』『ニニギノミコト』とも同時に仰っていた。

目が覚めて、調べてみた。

恥ずかしながら、ヤマトタケル以外は聞いたことがなかった。

イザナギノミコトとイザナミノミコトは国生みの神様だと知り、

ありがたい夢を見られて光栄に思った。

男女で並んでいたお二人なのかも．．．

夢に出てきてくれたのは、何かのメッセージなのかもしれない。

私は彼と出逢い、お互いのエネルギーの循環を通して、

たくさんの氣づきを貰っている。

それまではあまり感じることがなかった、日々の何氣ないことや、

小さなことにも、心の底から感謝でいっぱいになる。

あれがない、これがない、と不足感にばかりに囚われていたけれど、

違う目線で見たら、こんなにも素敵な日常を過ごすことができている。

喜びに満ち溢れている私がいる。

空を眺めることが大好きになった。

毎朝、自宅の窓から外を眺め、新鮮な空氣を吸い、深呼吸する。

今日も素敵な景色をありがとう、と感謝する．．．